(法律第四十六号)大正14年3月
第一条 国体を変革し、または私有財產制度を否認することを目的として結社を組織し、または情報を知って加入した者は十年以下の懲役または禁錮に処す
第二条 前条第一項の目的をもってその目的の事項の実行に関し協議を為した者は七年以下の懲役または禁錮に処す
第三条 第一条第一項の目的をもってその目的の事項の実行を煽動した者は七年以下の懲役または禁錮に処す
第四条 第一条第一項の目的をもって騒擾、暴行その他生命、身体または財產に害を加える犯罪を煽動した者は十年以下の懲役または禁錮に処す
第五条 第一条第一項及び前三条の罪を犯させることを目的として金品その他の財產上の利益を供与しまたはその申込もしくは約束を為す者は五年以下の懲役または禁錮に処し、情報を知って供与を受け、またはその要求もしくは約束を為した者また同じ
第六条 前五条の罪を犯した者、自首したときはその刑を軽減または免除す
第七条 本法は何人を問わず本法施行区域外において罪を犯した者にまたこれを適用す(国体:天皇を宗主とする日本国の体制)
この治安維持法は昭和3年(1928)緊急勅令という形で「改正」された。「結社の目的遂行の為にする行為」(目的遂行罪)を新設すると共に、国体変革を目的とする結社を組織した者、指導者に対しては死刑を科すことができることになった。同年4月には特別高等警察課(特高)が設置され、思想係検事も設けられた。
議会で唯一人、治安維持法改正緊急勅令承諾案に反対した山本宣治は、演説をした当日テロにあい刺殺された。
(改正内容)
第一条〔1〕国体の変革を目的として結社を組織した者、または結社の役員その他指導者の任務に従事した者は、死刑あるいは5年以上の懲役、もしくは禁錮の刑に処す。情報を知って結社に加入した者または結社の目的遂行の為に行為をした者は二年以上の有期の懲役または禁錮に処す
〔2〕私有財産制度を否認することを目的として結社を組織した者、結社に加入した者、または結社の目的遂行のために行為をした者は10年以下の懲役または禁錮に処す
〔3〕前二項の未遂罪は之を罰す